子育てテクノロジー

保育はナイチンゲール以前

子育て中の親が、3歳までの子どもに対して実施した声がけが子どもの脳の発達に決定的な影響を与えることを述べた「Thirty Million Words: Building a Child’s Brain」という本がある。この本を「3000万語の格差」というタイトルで和訳し、さらに日本の現状と課題を記した、あたかも本が一冊増えてしまったかと思われるほど濃密で長大な日本版解説を書かれた高山静子先生にお会いしたことがある。高山先生はこの翻訳のみならず、保育の専門性に関わる極めて多くの著書があり、他の保育系研究者と同様、純粋で真摯な情熱を持って研究に取り組まれている。高山先生からは、保育のプロの立場から数々の興味深いお話を伺うことができたが、その中で私に最も刺さった言葉は「保育はナイチンゲール以前」というものであった。つまり、医療分野においてはナイチンゲールが統計学や可視化などのテクノロジーを現場活動に適用することによりそのパフォーマンスを飛躍的に向上させ、近代的な情報伝達システムの必要性まで広く知らしめたが、保育においてはこれと比肩しうるような科学的手法が十分に適用されておらず、今もって直感と経験に基づいた、非効率的な実践が行われているということなのである。

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HCI における省察

この記事では、自己の振り返りについて、心理学的・教育学的な背景を軽く述べた上で、HCI 研究の歴史を、デバイス、モデル、評価といった面から概観し、乳幼児教育においてどのような試みがあったかにも言及する。

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少し遠くが見えた日

先週の保育中の俯瞰動画に、問題のシーンがあった。問題というと語弊があるかもしれない。より正確には、その動画の中に含まれる現象に関して、関係各者から大きな議論が巻き起こり、僕にはいまだその解釈や次のアクションがはっきりと見えていない、複雑なシーンがあった。僕は一週間の間、そのシーンに関してテロップ入りの動画を何本も作ったし、深夜に園長先生と(you’re firedと言われかねないほどの)激論を戦わせたし、今日に至っても、園長先生やクラスのリーダーともその場面に関する新たな背景が語られるほどの謎めいたシーンであった。でも謎めいた、とまで思っているのは僕だけかもしれない。恐らくはいまだ自分の中に、保育に対する何の評価軸を持っていない僕だから、混乱したままなんだろう、とも思う。

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介入について

保育室で、何か事故や問題に発展しそうな状況を目にした保育士が、どのタイミングで介入を開始するか、というのは、僕のような新人保育士が考えるべき中心的課題であると同時に、ある程度経験のある保育士にとっても、その人の保育観が現れる一つの局面ではないだろうか。
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保育系ジャーナル調査

目次


概要

「保育はナイチンゲール以前」と表現していた先生がいた。つまり、保育実践の場に科学的手法が十分に適用されていないとのことである。学界はどうだろうか。私なりに調べた暫定結論では、保育研究においては学会は他の研究者と交流する場であり、学会誌はそれを補う程度の役割であり(従ってSJR等が低い傾向にあり)、論文誌こそが新たな保育研究の主戦場であるように感じている。

以下、私がSCImago Journal Rankをメインに探してみて、保育テックに関係ありそうな論文誌をリストしてみた。保育テックの定義は自分の中でもまだ固定化していないが、ひとまず「保育現場で使える定量化ツールを提供すること」と考えてみた。
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