概要
保育の質の向上に関する議論が高まってきています。Starting Strong IIに示されているように、保育の質にはさまざまな側面があり、また文化的な差異や、そもそも数値化に適さないものも多々あるので、杓子定規に良い保育や悪い保育を定義できるわけではありません。しかし我々はその中から機械処理に適したものを選び、カメラやセンサーシステム、AIなどを組み合わせて自動的に計算するシステムの開発に取り組んでいます。
質の評価軸は、国際的によく利用されているITERS-3を参考に、人の数や環境情報のセンシング結果を利用して行なっています。
こういった機械処理によって質を評価することで以下のメリット・デメリットが見込まれる。
メリット
- 偏りのない定量的な結果を得ることができる
- 日常のルーチンに質評価を組み込むことができる
- 第三者の評価員の人件費や手間を削減することができる
- 新たな大人が現場に入り込まないので、子どもたちに威圧感や緊張感などの影響を与えなくて済む
- 機器さえあれば容易に導入することができる
デメリット
- 保育の質を構成する、ごくわずかな部分しか評価できない
- 現場のニーズに合わせた柔軟な対応ができない
- センサーの精度や特性の影響を受ける
構成要素
- 動画からのリアルタイム人物検出
- 検出された人物領域が大人か子どもかを判定
- 物体検出の結果や環境センサー(騒音や気温)から質のスコアを計算
- 計算結果の可視化
現在自動評価される要素
- 保育士一人当たりの児童数
- 騒音レベル
- 気温レベル
開発チーム
岩崎学園 情報科学専門学校
- IoTゼミ 橋本俊甫
- セキュリティゼミ 佐野柊介
- 堀井 登我
- 指導:大和田