7/7,8に、グランフロント大阪 コングレコンベンションセンターにてSmart Energy Japan 2016 in Osakaが開催されました。神奈川工科大学のHEMS認証支援センターはこれまでは東京を中心にイベントに出展してきており、私も過去二年にわたり、神奈川工科大学のENEX出展(@東京ビッグサイト)をお手伝いしてきましたが(ENEX2015ENEX2016)、初大阪進出となる今回もかなりの部分を任せていただきまして、コンテストや出展企業との調整などを行いました。結論から言うと、超楽しかった!大阪最高!でした。

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東京も大阪も複数のイベントの同時開催という形をとっていますが、その構成は違います。東京の方はENEX, Smart Energy Japan, 新電力EXPO, といったエネルギー関係のイベントで固められているのに対し、大阪の方はSmart Energy Japan in Osaka (SEJ), Embedded Technology West (ET West), IoT Technology West (IoTT West)と、エネルギーよりも組み込み機器やセンサーデバイス全般も含めたイベントとなっています。敷地面積的にもET Westが一番大きく、ついでSEJ, 新開催のIoTTが一番小さいという順番になっています。
※東京の方では、通路を隔てた向かい側のホールでナノテク展や印刷技術展などもありますが、分野的にかなり離れていますね。

また、その規模もだいぶ違います。東京の方は東京ビッグサイトを借りて三日間行うもので、コミケほどではありませんがざっと5万人が来る展示会なのに対し、大阪のイベントはグランフロント大阪 コングレコンベンションセンターを使って二日間で7000人いかないくらい。イベント主催社のJTBコミュニケーションデザインさんから前回の会場写真を見せて頂いたとき、ブースの造作も東京都は比べ物にならないほど簡素な、というか、標準の展示台をそのまま使っている会社が多いし、まぁこじんまりした展示会なんだろうなあと感じていました。

神奈川工科大学の展示会出展では通常、関心のある企業を募って共同出展という形をとっています。元々のモチベーションが家電共通プロトコルであるECHONET Liteの普及と、それを利用した家電やスマートメーター・エネルギー機器に関係したビジネスの推進にあるので、企業の取り組みを紹介することは大変意味があることですし、またイベントをきっかけに新しい人脈が生まれ、企業にとっても大学にとってもメリットが生じます。そこで今回のSEJ in Osakaでも企業出展を募ることにしたところ、以下の企業に手を挙げていただくことができました。

株式会社クレステック
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所
株式会社インターネットイニシアティブ
新電力おおいた株式会社
NextDrive Inc.
メカトラックス株式会社
株式会社ウェブレッジ

また、毎回出展と連動したコンテストを開催しています。このコンテストも基本的には前述モチベーションのためにやっていますが、企業出展とは違ったアプローチでECHONET Lite周辺の技術に触れてもらい、また新たな視点からスマートハウスのサービスを考えてもらうことを目的にしています。ただし、過去の二回のENEXでは、展示会の性質もあり電力・エネルギーの見える化というところに力点を置いていたのに対し、今回はET West、IoTT Westとの同時開催ということもあり、電力に限らずおうちハック一般を対象にすることにしました。

また、コンテスト全体の目的として、あまりハッカー的ではない、一般の問題意識を持った人を取り込むということがあるのですが、これまでそういった方を直接の参加対象にしていたのに対し、今回はより絞り込んだ形で、「おうちハッカー予備軍」という、おうちハックに興味がありながら踏み込めていない層を仮定し、すでにおうちハッカー的な人に、おうちハックを体験できるようなドキュメンテーションを行ってもらうというコンテストにしてみました。

このあたりの話は、以下の資料に書きましたので、ぜひご参照ください。

※ちなみにこの資料は、後述する「スマートハウスセミナー」で私が用いた資料になります。

コンテスト実施体制において前回から最も変わったのは、経済産業省に後援していただけたことです。悪戦苦闘しながらではありましたが、これまでの取り組みをご評価いただいたのかもしれません。私は割と純粋に日本家電事業のためにやっている活動のつもりですので、国から認めて頂けたと思うと感慨無量です。

もう一つ変わったのは「LODチャレンジ実行委員会」というところに加わっていただけたことですね。この委員会は、年一回「LODチャレンジ」という、オープンデータの利活用を促すためのコンテストを開催していると同時に、様々な団体への協力を行っています。スマートハウスには現在のおうちハックに多数事例があるように「便利なデバイスによって生活をよくしていく」という面もありますが、こういった変化がブレイクスルーにつながるには、デバイスから得られるデータからこれまで得られなかったような知見が得られることが必要ではないかと考えています。そんなわけで、今すぐにではなくても現在LODチャレンジに関心があるデータサイエンティストやデータユーザーが、家電やおうちハック関連デバイスから得られる情報の利活用について関わっていただくことが大変重要だと考えました。今回LODチャレンジとご一緒させて頂けて広報的な効果もありましたし、担当の中山さんが完成度の高いWebページを書くための知識も多々お持ちの方で、Proofread的な意味でも暗に大変助けて頂きました。ありがとうございました!

さてコンテストでは、参加者を増やすために毎回連携したサブイベントを開催しています。今回はかなり時間が限られていたので3回だけ開催しました。うち2回はつっぱり棒関係のイベントでした。このイベントについてはすでにブログで書いています。すごく盛り上がって、これまでで一番有意義な会になったと思っています。関係者の皆様に心より感謝いたします。

つっぱり棒アイデアソン・ハッカソン・ワークショップ
ECHONET Lite&ラズパイ/3GPIによるおうちハック体験+もくもく会 レポート

コンテストの成果物は、Knowledge Connectorというアイデアソン・ハッカソンまとめサイトに登録していただきました。以下のエントリーがありました。

Knowledge Connector生活デザインコンテストタグ

これら投稿作品のうち5点をSEJでブース展示させて頂き、さらにそのうち一つを最優秀賞としました。
各作品は「CC-BY」または「Public Domain(CC0)」という非常に再利用しやすいライセンスとなっていますので、ご興味をお持ちの方は是非追試や改変をしていただければ幸いです。そしてその結果は是非作者や私までお伝え頂けたらすごくうれしいです!

コンテストの結果や募集要項に関しては、以下のページに書かれています。

生活デザインコンテスト#3

最優秀となった「春のIoTリレーハンズオン@関西」は、今回のコンテストの趣旨を最も正確に反映しており、またすでにワークショップも開催しており、またそのサポートする範囲もIoTの基本を十分押さえたものになっていました。おめでとうございます。

…このような形でイベントの準備は進み、神奈川工科大学ブースもENEXほど豪華な作りではなかったものの、前回同様黒を基調とした落ち着いたデザインで、出展企業ブースとコンテスト優秀作品のブース、それに神奈川工科大学学生の特別ブースという組み合わせで作っていただきました。

いざ開戦!!さあお客さんいらっしゃいっ!

SEJの初日午前いっぱい「スマートハウスセミナー」という講演枠を頂くこともできましたので、まずは神奈川工科大学のHEMS認証支援センターの一色所長に思いっきり語っていただきました。

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写真からわかるように会場はほぼ満員で、皆様食い入るように講演を聞いていました。ECHONET Liteへの関心の高さ、そして大阪の熱気を感じました。あとで聞いたところ、一色先生の話やECHONET Liteの状況を初めて聞いたという方も多かったそうで、大阪で機会をいただいて本当によかったと思えたと同時に、今後の活動検討にもつながる会になったと思いました。

後半は私の講演でした。コンテストの経緯とAPI等について話させていただきました。
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上にも一度書きましたが、その時の講演資料です。

その後出展企業の面々に、LT的にブースや事業のご紹介をしていただきました。
ここだけの話、直前のお願いになりかなりの無茶ブリになってしまいました。すみません。

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左から、IIJ近藤さん、メカトラックス永里さん、NextDrive石さん、新電力おおいた(デンケン)小川さん

セミナーの最後はコンテストの表彰式でした。今回最優秀賞となった「春のIoTリレーハンズオン@関西」を作られたのは関西おうちハックSORACOM-UG関西JAWS-UG関西IoT専門支部kintone Cafe大阪の4団体でした。代表してJAWS-UG関西IoT専門支部の辻さんが一色所長から賞状を受け取られました。おめでとうございます!!

実はこの作品は、コンテストとは独立に自発的に開催されていたイベント資料をまとめて頂いたもののようです。このように大阪はコミュニティ同士の結びつきも強く、活発に普及活動などを行っている模様です。
このリレーハンズオンの成果物は、関西おうちハックの拠点である「ロックオフ」でみることができますし、今後も関連イベントを開催し続けていくとのこと。IoTの普及にも大きく貢献していただけそうですね!すばらしい。

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そして注目のブース出展です!来場者の意見を直接お伺いしてアピールするのに絶好の機会です。
共同出展企業、コンテスト関係者、そして学生の皆さん、それぞれに対応に奔走しました。

コンテスト参加者は関東ベースの人が多いので展示物だけを出展した方も多かったのですが、説明員として大阪に来て下さった方もいました!

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つっぱりPongの高橋さんは、常に全力で突っ走る方。尊敬します!!
実は高橋さん、こんな素晴らしい作品を作っているのに、まだ電子工作を始めて一年とかそこらだそうです。それも含めて驚き。

このブログの最初の方に「まぁこじんまりした展示会なんだろうなあと感じていました。」と書きました。しかしその認識は全く間違っていました。いや、人数からしたら東京の展示会より確かに小規模なはずなのですが、大阪の来場者は本当にアツい人が多く、一度話を聞き始めたらとことん気が済むまで質問されますし、本気度がものすごく高いのです!のちほど共同出展企業にお答えいただいたアンケートからいくつか感想をピックアップしてみましょう。

・まだ具体的な成果が出てはいませんが、手応えは感じております。デザインを含めてシステムの完成度をあげ、ビジネスを明確にしたうえで、商談の場にしていきたいと感じました。
・展示会自体の規模が小さかったのが逆に好結果で、来場者にしっかりブースを見て頂き、有意義な話をすることができました。東京ビックサイトでの大規模展示より遥かに多くの方とお話ができたように感じます。とても良い展示会でした。
・期待以上の反響でした。
・セミナー講演をさせて頂くことが出来、出展目的である広告宣伝(知名度向上)としては大いに成果がありました。 来場者数は東京開催時と比較すると確かに少ないのですが、お客様の流れがゆっくりしており、じっくり説明をお聞き頂ける方が多かった印象が有りました。

そしてチラシも名刺も、用意してきた分を早々に配りきってしまう企業が続出し、二日目の午前中に急きょ地元の印刷所に駆け込んで追加印刷してもらうところまでありました。私の知る限り、企業ブースでちらしがすべて残ったのは2ブースのみで、他のところは全てではないにせよなにがしか配りきっていました。予想を超えた反響だったわけです。

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先程のコメント以外の、出展企業へのアンケート結果を見てみましょう。

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この結果からも、今回の大阪出展が大成功であったことは疑いようもありません!

あとで地元の某大企業の方に、今回の反響に驚いていることをお伝えしたところ、大阪のイベントでは自分のモチベーションで積極的に情報を探しに来ている方が多いとのこと。大阪は東京ほど情報が早くないので、情報に飢えている人が多いなんておっしゃっていました。情報が遅いかどうかはともかく、確かに大阪の方はとても積極的だし主張も明確で、つっぱり棒の平安伸銅工業さんをはじめ最近よくお付き合いさせていただいている大阪の企業の方々に通じるものがあり、確かにこれが大阪の気質なんだなあと腑に落ちるところがありました。

そんなわけで、我々はもちろん出展にかかわった全員が満足できるすばらしい出展となりました。

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一日目の夜に出展企業懇親会をやりまして、これもまた大変盛り上がって楽しい会になりました。ドジな私はうっかり写真を撮り忘れてしまい激しく後悔しています。また、テーブルが二つに分かれてしまったのですべての企業と盛り上がれたわけではないのも残念です。今度またやりたいですね。二次会ではクレステックさんやIIJさん・メカトラックスさんとさらに濃い飲み会となりました。クレステックさんはすでに長い付き合いなのでいつも通り楽しかったし、IIJさんは昔から憧れの企業で、見た目からしてバシッと決めた優等生タイプばっかりというイメージがあったのですが、意外にマイペースな社員がほとんどだと教えてもらったり(いや、でもやっぱりそんなはずはないと私は信じていますが)、メカトラックスの永里さんの濃いキャラに圧倒されたりと、あんまり楽しくて調子に乗った私はテキーラ三杯いってしまいまして、追いヘパ(メカトラ永里さんに教えてもらった言葉で、飲んだ後にヘパリーゼを飲むってことですw)して、この上なく上機嫌で床についたのでした。実は私は飲み会での気遣いが苦手なんですが、今回のメンバーだったら何度でも飲みたいと思ってしまいました。大阪の地がそうさせたのかもしれないと本気で思っています。今回地元企業はひとつもないんですけどね^^

そんなわけで、まあ運営に関しては実はいろいろあったんですが、ものすごく後味のいい展示会となりました。
次はまた東京でENEXとなると思いますが、今回の余韻を胸に、コンテストも出展もまたギアを入れなおして盛り上がるようにしていきたいです。

一色先生・笹川さんはじめ神奈川工科大学のスタッフの皆さん、学生の皆さん、出展企業の皆さん、コンテスト向けイベントに運営や一般参加の形でかかわってくださった方、そして来場者の皆様、どうもありがとうございました!
ここからスマートハウスを盛り上げていきましょう!

私はますます大阪が好きになりました。愛してるぜ大阪!

余談ですがSEJに続く土日は大阪南港ATCという場所で大阪最大のメイカーズイベント「メイカーズバザール」が開催され、関西おうちハックもサークル出展していたので、私も一日目だけ参加してきました。大阪のメイカーズコミュニティも盛り上がっていますね。

KansaiOuchHack

大阪出張のついでに関西おうちハックの拠点であるロックオフに行くことも多いのですが、見慣れた常連の姿もたくさんあり、なんだか家に帰ってきたような気持ちにもなりましたw

また大阪でイベントやりたいです!

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