法的根拠

児童福祉法45条

都道府県は、児童福祉施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。この場合において、その基準は、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準を確保するものでなければならない。

  • ○2 都道府県が前項の条例を定めるに当たつては、次に掲げる事項については厚生労働省令で定める基準に従い定めるものとし、その他の事項については厚生労働省令で定める基準を参酌するものとする。
    • 一 児童福祉施設に配置する従業者及びその員数
    • 二 児童福祉施設に係る居室及び病室の床面積その他児童福祉施設の設備に関する事項であつて児童の健全な発達に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの
    • 三 児童福祉施設の運営に関する事項であつて、保育所における保育の内容その他児童(助産施設にあつては、妊産婦)の適切な処遇の確保及び秘密の保持、妊産婦の安全の確保並びに児童の健全な発達に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの
  • ○3 児童福祉施設の設置者は、第一項の基準を遵守しなければならない。
  • ○4 児童福祉施設の設置者は、児童福祉施設の設備及び運営についての水準の向上を図ることに努めるものとする。
・前述の児童福祉法45条に基づいた厚生労働省令の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(児童福祉施設最低基準、または設備運営基準とも呼ばれる)35条

保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とし、その内容については、厚生労働大臣が定める指針に従う。

・前述「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の35条に基づいた、厚生労働省告示「保育所保育指針

平成30年度から改定。

リンク
+ 厚労省による「保育所保育指針解説
+ 厚労省の保育関係トップページ


自治体への報告義務がある、いわゆる「書類」

東京都の認証保育園の例から以下に項目を列挙。

  • 施設のプロフィール(事業開始日や施設長名・施設類型なども)
    施設類型とは、2015年にできた「小規模保育」に属するカテゴリー(A~C)で、有資格者の配置基準に影響を与えるもの。Aが一番厳しく(保育士の割合が多くなければいけない)、Cは「家庭的保育」(参考「地域型保育事業の概要」)。東京都ではA/Bのみ認証対象にしている。
  • 定員(保育従事職員の配置基準(児童数当たりの保育士の数)から算出)
  • 契約児童数(実際に在籍する数。定員を上回ることもある)
  • 土曜日児童数
  • 10/1に出席した児童の契約時間数、お迎え時間(どれだけ夜間の保育が行われているかの調査?)
  • 保育料(月額、一時預かり、その他夕食・おむつ代など
  • 10/1現在の職員について、雇用形態、所定労働時間数、保育士の資格の有無、経験年数、在籍年数、勤務時間帯
    保育士には保健師、助産師及び看護師も含まれる。2015年から准看護師も数に含めてよいことになったが、実際に含めるかは自治体による(?)。子育て支援員(一定の研修を修了し、保育や子育て支援分野の各事業等に従事する技能を習得したと認められる)は別枠で記載
  • 定員から算出される必要な職員数が、実際の職員数を下回っているかの計算
  • 保育室等の状況(面積と契約児童数の関係)
    0歳・1歳児は一人当たり3.3㎡(2.5㎡まで弾力化。全弾力化もOK?)。2歳以上は1.98㎡。
  • 指導計画作成の有無(長期的計画+3歳未満の個人別指導計画はそのものの提出も義務
    • 長期的指導計画(年・期・月)
    • 短期的指導計画(週・日)
    • 個人別指導計画(3歳未満は必須)
  • 備えられている遊具(玩具・絵本・机・椅子・楽器)
  • 保護者との連絡状況(連絡帳・園だより・緊急連絡表・給食展示・保育所見学)
  • 衛生管理の状況(保育室・トイレ・調理室・食器・哺乳瓶・衣類・寝具・玩具類の選択・消毒・保管方法について)
  • 給食について(献立表の作成・食品の保存方法など)
  • 登園時の健康状態の観察の有無(体温、排便、食事、睡眠、顔ぼう、皮膚の異常、機嫌)(以下赤字は重点研究ポイント)
  • 降園時の個別観察(体温、排便、食事、睡眠、顔ぼう、皮膚の異常、機嫌、外傷、清潔)
  • 児童の発育チェックの有無(身長計測、体重計測、その他)
  • 児童の健康診断の有無
  • けがや病気の時の措置の有無
  • 感染症への対応の有無
  • 乳幼児突然死症候群の予防(睡眠中の乳幼児のきめ細かな観察・仰向け寝・保育室での禁煙の厳守)
  • 職員の健康診断
  • 調理・調乳担当者の検便
  • 備えられている医薬品(体温計・水まくら類・外用消毒薬・絆創膏類)
  • 職員の研修等の参加状況
  • 安全確保の有無安全対策の有無(危険物や放置物品/暖房器具などの安全対策・危険な場所の囲い等の設置施錠など事故防止(自動化により一般家庭ではニーズがあるかも?)・緊急時の対策)
  • 利用者等への情報提供の有無
  • 帳簿の作成・整備状況(職員名簿(履歴書)、資格証明書、出欠簿等、児童の出欠状況を確認する帳簿、児童票(在籍乳幼児の状況や保護者の連絡先等を確認できるもの)
  • 入所児童の保険加入状況
  • 嘱託医・委託内容
  • 避難訓練等の有無(避難・消火に関しては月一回以上実施、地震は年一回以上)
  • 救命救急訓練の有無
  • 消火用具の設置の有無
  • 防炎処理の有無
  • 職員不足の有無、ある場合は改善策など詳細報告

越谷市の参考フォーマット分類

提出が必要なもの。すなわち「書類」
  • 保育の計画(月案以上に長いもの+3歳未満の個人別指導計画)
    「保育所保育指針」に基づく作成義務項目に関連するもの。施設や事業所の実態や形態に応じて作成。年間計画等の作成の際は、業務効率化の観点から、月案と週案、週案と日案の統合や、週案と日誌の統合を図ってもよさそう(?)。「幼稚園教育要領」、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」も参照とのこと。

    • 保育計画
    • 長期指導計画(年間計画・月案。いくつかのバージョンが提供されている)
  • 3歳未満児の経過記録

  • 非常災害等訓練計画・実施記録

    • 非常災害等訓練年間計画表
    • 非常災害等訓練実施記録表
実施が必要だが提出は求められない、いわゆる「記録」に近いもの
  • 保育計画のうち、短期のもの
    • 短期指導計画(週案・日案・週日案)
    • デイリープログラム
  • 保育日誌
    日々の保育の実施状況を記録するもの。子どもの姿とともに、保育者の関わりや思いを記録。
    項目は子どもの出欠席と理由、天気、健康状態、保護者への連絡、保育の実践記録、特記事項(個人記録)、評価・反省など

    • 保育日誌
    • 保育日誌(給食記録入り・主に認可外保育施設での使用を想定)
    • 週案日誌(週日案と保育日誌が統合されたもの)
  • 児童票(児童の在籍記録、成長過程、保育経過等を記録したもの。3歳未満児は提出必須)
    ※重要なところなので、フォーマットを見ながら随時確認

    • 在籍・生活圏に係る記録(家族構成・住所・住居環境・かかりつけ医・緊急連絡先・生育歴等)
    • 健康に係る記録(健診結果・予防接種記入欄・罹患状況・出席状況等)
    • 発達状況に係る記録(運動発達・人間関係・知的好奇心の状況・感性・表現力・生活習慣等)
    • 家庭との連携等(個別面談記録等)
  • 連絡帳
  • 児童の健康チェック、健康診断
    継続的に施設を利用する児童に対しては、身長や体重の測定など基本的な発育チェックを毎月定期的に行うことが必要。また、月極め児童など継続的に施設を利用する児童に対しては、利用開始前と年2回の健康診断を、学校保健安全法施行規則に定められた項目に準じて行う必要があり。項目は「学校保健安全法施行規則」に定められている。
  • 感染症(インフルエンザ等)にかかった場合の医師の意見書
  • 睡眠時チェック表
    乳幼児突然死症候群向け。3歳未満児については呼吸チェックが必須。特に、乳児については、5分毎の呼吸チェックが望まれる。
  • 給食日誌
その他提供されているフォーマット
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