保育室で、何か事故や問題に発展しそうな状況を目にした保育士が、どのタイミングで介入を開始するか、というのは、僕のような新人保育士が考えるべき中心的課題であると同時に、ある程度経験のある保育士にとっても、その人の保育観が現れる一つの局面ではないだろうか。

現場に入る前の僕だったら、そんなの早い方がいいに決まっている、問題の可能性を見つけ次第、それを摘み取っていくべきだと考えただろう。しかし保育所の位置づけを公的に定義した「保育所保育指針」に記された保育所の役割、つまり養護と教育を一体として行うというミッションに照らせば、早すぎる介入は、子どもが葛藤やトラブルから自ら問題解決方法を学ぶ貴重な機会を奪うことになるのだということを、現場の先生方から学んだ。つまり、介入が早すぎれば学ぶ機会を奪い、遅すぎれば子どもの安全が損なわれるのである。養護を重視する保育士は早く介入するだろうし、教育を重視する保育士は、ギリギリまで介入を遅らせるだろう。

僕はといえば、最初の頃は早く介入していたが、ある時にそれはちょっと早すぎると指導を受けたので、その後は直感よりもかなり遅くしようとしていた。その結果、近くにいる子どもに対して僕がいつまでも介入しないので、他の保育士がみかねて近くまで来て介入する、ということが続いていた。(もちろん、僕が単に問題に気づいていなくてそうなることもよくあるので、それも含め猛省が必要である)
そこで、今週の保育は介入を少し早くしてみることを試みた。それから、先週の保育の後、「後ろにいた子は何をしているのか気づいていましたか?」と言われて、あまり気づいていないことがわかったので、少し壁寄りに座ること、この2点を今日の目標とした。
結果、今日の保育は、何度かハッとするシーンはあったが、他の保育士が近くまで来て介入するということは減ったと思う。また、背後に子どももほとんど入らなく(入れなく)なった。また、入眠支援も、今日は不思議なほどうまく行った。つまり、養護面が向上した。教育面はわからない。でもまあ、それらは良かったこと。

反省点の一つは、何回やってもトイレ掃除の段取りがわからないこと。自分バカなのか⁉️と本気で思うくらい手際が悪いし、間違いだらけである。周りの保育士は大人の対応だから、僕が間違えても黙って笑顔でサポートしてくれるけど、それでいいのか。間違いは間違い、非効率は非効率とはっきり言ってくれないとわからないのだが、相手の心を察するプロの保育士の皆さんは、決してそういうことは言わない。
あとは、失敗すると凹んでしまい、笑顔も仕事の質も格段に落ちるところ。ガラスの心である。これまた厄介である。周囲の先生方は、それを知って僕に色々言わないのかもしれない。自分のダメなところを採点してくれるAIはないものか…

いずれにせよ、介入タイミングにはこれからも悩みそうである。
いつか、様々な経験年数や、ポリシーの違う園の保育士さんの動きを調べて、介入タイミングがどのような傾向にあるのか、調べてみたいもんである。

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